四季の里・北野病院では『全国味めぐり』
称して日本各地の料理を提供するイベントを
開催しています。1月は東京都の郷土料理で
あり、寒い冬にぴったりな“あさり鍋”
ご用意いたしました。昆布でしっかりと出汁
をとり、具材はあさり、焼き豆腐、つくね、
そして白菜や長葱が入っています。味付けは
あさりと昆布の旨味を邪魔しないように
シンプルに塩でまとめました。

東京都江東区にある深川地域は東京湾が近く、
江戸時代は良質なあさりがたくさん獲れた
そうです。現在では漁獲量が減少してしまった
ものの、内湾で獲れたあさりは「江戸前」と
呼ばれ高い人気を誇っています。あさりは
栄養価も高く、ビタミンB12や血液をさらさら
にするタウリン、そして亜鉛や鉄などの
ミネラルもたくさん含まれています。あさりの
旨味と栄養がしっかり摂れるおすすめの調理
法は、炊き込み御飯やみそ汁など、あさりの
煮汁を残さず使える料理です。今回提供した
あさり鍋も締めにご飯やうどんを入れてスープ
まで飲み干せば、あさりの栄養を余すことなく
食べられます。

このイベントを始めて、全国の郷土料理やその
地域の特産品について調べる機会が増えました。
調べてみると面白いことも多く、その地域の
食文化や歴史を知ることで料理に対する見方も
変わってきたような気がします。この記事を
通じて皆様が少しでも日本の食文化について
興味を持っていただければ幸いです。